インター小学生の日本語/英語習得のために親がしている9つのこと

インター小学生の日本語/英語習得のために親がしている9つのこと

インターの小学校へ入学されるお子さんは、プリスクールで英語生活を送っていたり、英語でのコミュニケーションが既にできる、ということが入学条件の1つとしてあるでしょう。しかし、日本に住む日本人である以上、英語だけではなく日本語の習得もおろそかにしたくない保護者も多いでしょう。小学校をインターで過ごす場合、日本語と英語をバランスよく使い分けられるように、子供の成長をサポートすべく保護者の役割はとても重要です。

3人の子供をインター小学校に通わせていた日本人の筆者が、日本での日常生活を通して子供の英語・日本語習得をどのようにサポートしていたか、9つの事例をご紹介します。

インター/プリ/現地校ママのための英会話

インターに通う子供の日本語習得サポート

子供の日本語習得に関して、保護者として意識していた5つのことを挙げます。

1. 家庭では必ず日本語で話しかける

あたりまえのようですが、意識しないと忘れがちな点です。学校から帰宅後、子供が英語で話しかけてきても、日本語で答えて日本語での会話を続けるようにします。状況にもよりますが、子供がよほど嫌がらない限り、日本語での返答を続けてみます。丁寧でクリアな日本語で、敬語や謙譲語もあえて使い、話して聞かせます。

Can I have some water, mum ? と言われたら「お水ですか?お水ですね。お水をただいまお持ちしますね」とわざと言ったりします。

「”ただ今”は”ただいま~!”と一緒だね」や「”お持ちします”は”お餅”と同じだね」などと伝えると、子供がどんどん日本語に興味をもちます。毎日が言葉遊びのような会話ですが、子供が日本語を忘れないようにするためには大事なことです。

インターの日本語習得サポート(1)

2. 日本語の本を読み聞かせる、目の触れるところに準備しておく

一度に借りてこられる最大冊数の本を、定期的に図書館から借りてみましょう。本の内容については、子供の希望はある程度聞くとしても(動物、乗り物、偉人伝、シリーズものなど)親がテーマを決めて大量の本を子供の目のとまるところに並べておきます。

そうすると、時間を持て余した時などに、自然と手に取り眺めたり読むようになります。子供がよく話題にしているものや、リアルタイムで学校で取り組んでいるテーマに関しての本が、功を奏する場合もあります。「学校で、日本の山や世界の山について英語で勉強しているよ」と言われたら、とりあえずエベレストや探検家に関するもの、ギネス関連や世界の地形に関するものまで、日本語で簡単そうなものを選びます。

10冊借りてきて、2冊でも目を通してくれたらラッキーと思えばよいのです。子供の中では、情報が英語と日本語でリンクして新しい発見を自慢げに教えてくれたりします。

小学生になっても読み聞かせを頼まれることがあります。「日本語の教科書を読んで聞かせて」と言われたこともあります。頭の中が一杯でクールダウンしたいときは、赤ちゃんの時に読んだ日本語の童話を読み聞かせたりもしていました。

「これ、読んであげようか?日本語でね!」というと、中学年でも喜んで聞いてくれることがあります。読み聞かせによって、どちらの言語も”すんなり入る”脳内環境を維持できるようになります。

インター小学生の日本語習得サポート(4)

3. 習い事を通して、日本語力を補う

公文のような通うタイプの習い事や、通信教育でタブレット学習できるものなど、時間と経費に余裕があれば是非習い事を取り入れてみてください。

ゲーム形式で計算力を付けたり図形を覚えたりと、インターの学習法と似た部分も沢山ありますが、タブレットの通信学習では日本語で説明してくれますので、日本語の単語量が増えます。

習い事では、平行四辺形・台形・四文字熟語・整列・出欠確認・準備体操、といった言葉を自然と覚えます。知っていて当然、と思う日本語に触れ合う機会がインターの学校では少ないので、日本語を習得するには習い事がよいチャンスです。

ピアノや習字、体操教室や水泳教室などは、日本語で対面指導してくれます。お行儀やちょっとした作法、日本式のルールなどが身に付きます。日本式の勉強方法とそうでない方法で、柔軟に考える力がつくことも大きな利点です。(足し算の繰り上がりのしかたや掛け算の覚え方など)習い事には、インターでは教えてもらえないことが満ち溢れています。

インター小学生の日本語習得サポート(3)

4. 日本語の宿題は、出来る限り保護者も一緒にサポート

”宿題は自分でやるもの”があたりまえのことではありますが、特に日本語の宿題については出来る限り日本人の保護者が目を通してあげると子供も安心します。「何かお手伝いしようか?」と言えば答えがかえってきます。

インターでは週を通して、日本語の授業が時間的に少なく、レベルも細かく分けられている場合があります。日本語を必要とせず、楽しく異文化と触れ合おう!というスタンスの日本語クラスを選択すると、ネイティブの生徒と一緒に歌やお遊戯、ひらがなの読み方ばかりの時間が続きますので、物足りなさを感じてしまいます。

逆に日本語重視のレベルの高いクラスでは、宿題の説明やフォロー(漢字テストの間違え直しや作文の添削内容など)に費やす時間が少ないので、最初の段階でどのレベルを選ぶかが大切なポイントです。

今までの経験から、保護者が宿題を手伝っていて大変だったものは以下です。

●日本の都道府県を覚える
●いろはかるたについて調べる
●作文を書くときの句読点の使い方
●日本の学校で使っている教科書の音読(日本語の発音)など。

自分が日本人として忘れていること、不確かなことも沢山でてきます。調べたり確認しながら、まずは子供と楽しく宿題に取り組むように心がけましょう。

インターの日本語習得サポート(2)

5. 自分の国について、興味をもつような経験をさせる

ネイティブの子供達が自分の国について話す機会はもちろんありますが、(アメリカ人の生徒がアメリカの食文化について発表する、など)日本人の子供がインターで、自分の国について友達や先生に話す場面は意外と多いのです。

シンプルなことでも、「さあ話してごらん」となると話せないことも多く、今までも低学年時にはいろいろな質問を子供から受けました。

●なぜ日本は地震が多いのか
●京都になぜ外国人が観光で行きたがるのか
●なぜ日本は島が沢山の国、といわれるのか、など。

友達や先生からこれらのことを聞かれて、何と答えてよいのかわからなかっただろうと想像がつきます。子供はこれらのことを、英語で説明しなければなりません。なぜ、と思ったことはシンプルに、基礎的なことだけでよいので理解しておくとよいかもしれません。

筆者の子供達はボーイスカウト活動をしていましたが、様々な経験(博物館巡り、自然との触れ合い、地域との交流、日本の伝統行事への参加、ボランティア活動など)を通じて日本を知り、納得したり疑問に思ったりしていました。

家族で国内旅行をしたり、地域の子供達と遊ぶ機会を作るのもよいことです。自分は半分外国人としての見方をしている、と気が付くこともあります。地域の中でもいろいろな催し物が開催されていますので、カルタ取り大会やお祭り、お神輿、餅つき大会、地域の運動会など、気にとまったものには参加してみましょう。

インターに通う子供の英語習得サポート

次に子供の英語習得に関して、保護者として意識していた4つのことを挙げます。

1. 褒める

英語で上手に話せたり、きれいな発音で音読していたり、完璧に詩を覚えたりしたら、「流石!」と褒めます。子供にとって英語は、すでに生活するための手段なっているかもしれませんが、日本語と英語を使い分ける生活に疲れることもあるかもしれません。テストの結果や学校で上手に課題を発表出来たことを話してくれた時には、沢山褒めてあげてください。子供の更なる自信に繋がります。

2. 辞書を使って単語を調べる

スマートフォンやPCでもすぐに単語を調べることが出来ますが、辞書(英英辞書)を使って単語を調べるようにします。英英辞書を使うと、意味を英語で理解するので単語を覚える量も倍増します。新しい単語も発見します。

辞書を使うことで画面を見る時間も減り、本に触れ合う時間も確保できます。我が家では、英和辞典も同時に使わせますが、基本は英英辞典です。辞書で引いてからさらに電子辞書やタブレット等で調べてもよいわけです。画像や関連情報は、その段階で確認すればよいのです。

インターの英語習得サポート(1)

3. ネイティブと話す機会を設ける

これは個人差がありますが、可能ならばあったほうが子供に英語実践力がつきます。学校で習っていることが校外の人との会話で活用できると、自分の英語に確信を持てます。

保護者が非ネイティブであるため、本当に自分の英語がこれでよいのか定かでなくとも、お店や他人とのやりとりできちんと英語が通じたり、上手に話せる体験を増やしていくことで自信がつき、学校でも発言量が増えていくのです。

バケーション中など英語圏に旅行することも、もちろん子供へのプレゼントになります。ネイティブのご家庭との交流は、自分から積極的にセットアップしてもよいかもしれません。更にネイティブとの会話練習の場(スカイプレッスンなど)を確保しているご家庭もあります。

4. 教師と積極的にコミュニケーションをとる

英語の文法が理解できなくなったり、ディクテーションの点数が落ちてきたら、本人が苦しくなっているサインです。小学校では、英語のクラスで遅れが見られる子供達を、休み時間や放課後にサポートするシステムが整っている場合もあります。

サポートクラスに申し込んだり、先生との面談をリクエストしたりと、先生方とのコミュニケーションをとることも非常に重要です。先生と連絡がとれる窓口はメールが多いですが、子供の英語学習の様子など気になる時には気軽に利用してみてください。

インター小学生の日本語/英語習得サポートについて まとめ

宿題の様子をみていると、日本語が辛くなって英語のほうが楽になったり、逆に英語がわからなくなって英語以外の教科を英語で理解するのが面倒になったり、という時期があります。

宿題や課題の本(英語)を読むように親が言っても、気が付くと日本語のマンガを読んでいることもあります。寝る前に難解な英語の本を読んでいたり、日本語のマンガと英語のマンガを同時に読んでいることもあります。

不思議なもので、その日の気分でどの言語がしっくりと頭に入るか、リラックスしたいときはどの言語と触れ合いたいのかが、様子を見ているとわかるようになります。子供を尊重し、楽しく言語を習得していけるように心がけてみましょう。子供は2か国語の中で葛藤する時期もありますので、プレッシャーをかけずにあたたく見守ることが大切です。

中・高学年以降は、算数はもちろん歴史、理科、社会なども英語で取り組むことになります。音楽や体育は英語でも何とかなるかもしれません。しかし、算数の文章問題や歴史上の人物の話となると、ある程度の語彙量がないと本人が授業を楽しく受けられなくなります。

まずは学校生活のベースとなる英語を嫌いになることだけは、回避させなくてはなりません。さらに、日本語の基礎を固めるために、家庭内では自分が日本語教師、と意識して子供と接してみましょう。

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